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2019.04.19
今年度の私の仕事 先回お話ししたもう一つの仕事についてお話します。
私はこれまでコンサルタントとしてたくさんの製造業の改善をお手伝いして参りました。その過程で本当にたくさんの素晴らしい方々と出会い、そして素晴らしい改善がいくつも実行されるのを経験して参りました。この改善を別のクライアントがやっているあの改善と合わせて一緒に検討したらすごいことができるだろうな…とか、この会社のプロジェクトにあの方をご紹介したいな…とかしばしば思ったことがあります。その結果、一部の構想は実現しましたが大半は考えだけで終わりました。
しかし現在の日本の製造業、特に中小の製造業が置かれた状況には非常に厳しいものがあります。これまでは自分たちの力で何とかするのが中心でしたが、これからはオープンエンジニアリングの時代で縦横の連携の必要性が叫ばれています。しかしそのような経験がほとんど無い日本の製造業に突然それを始めようと言っても難しいことも多いのです。
そこでこの度、一般社団法人日本カイゼンプロジェクトとう団体を発足しました。この組織に参加していただき、その中で共通の課題を解決するプロジェクトを立ち上げみんなで研究したり実験したりしながら相乗効果を生む、そしてウィンウィンの結果になる活動を展開いたします。
ご興味をお持ちの方はご連絡下さい。資料を郵送いたします。 -
2018.07.04
日本の製造業が本来持っている強味 14 「日本の製造が本来持っている強味」として書いてきましたが、今回が最終です。
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私は自分の27年間のコンサルタント経験から、日本の中小の製造業こそがこれからの大きな変化に対応できる一番近い場所にいることを確信している。それは日本の中小の製造業ほど、全体最適の改善を実行し経営そのものの変革を実行しやすい構造のところは世界中どこを探してもないからだ。
私はこの文章を通じて大きな経営改革を提案するのだが、その手段は日本では誰もがこれまでずっと実行してきた現場改善だ。日本の中小の製造業は社長を中心に改めてモノづくりの現場に全員で集合し、全体最適の改善を全員で実行し大きな経営変革を起こすのだ。
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次回からは「全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ」というタイトルで連載を続けます。どうぞよろしくお願いいたします。 -
2018.06.25
日本の製造業が本来持っている強味 12 私は毎日どこかの工場に伺って改善をしています。いつ雨が降ってもいいようにいつも折り畳み傘を持っています。だから梅雨時でも大丈夫です。
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例えば設備稼働分析のように、新たな改善を行う際の現状分析で、これまでであれば観測者が時間をかけて観測し分析をする必要があったことでも、観測対象設備にセンサーを取り付けてそれをパソコンに接続し自動的にリアルタイムでグラフ表示することが可能な時代だ。それも専門家の手を経ずに自前でそれらの設置が可能である。
すなわちセンサーは人間の五感と脳の能力を高めるセンスで使うべきものであり、あくまで原点は人間にある。これまでやってきた改善のレベルを上げることに新しく登場したセンサーやシステムを使い、それを統合しながら大きなシステムに育てていくというやり方が自然であり最初から作られた大きなシステムを導入する必要はないと考える。
Question:センサーの原点は人間と書きました。いかがでしょうか?
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2018.05.30
日本の製造業が本来持っている強味 8 作ると売るは一体です。両方同時に考える必要があります。
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一つ目の驚きは彼らがマーケットの変化スピードはものすごく速いということを認識してそれに合わせた仕事をしていること。これは驚きではあったが、想像した通りともいえることでもあった。
二つ目の驚きはそのスピードを追求する方法はこれも当たり前と言えば当たり前であったが、「創る→作る→売る」に関係するすべての人が1か所に集まって即断即決して動き出すことであった。一つの部門の人だけで集まるのではなく、あるいは大きな会議室で誰か一人が話して残りの人は聞いているではなく、関連する人全員が立ってホワイトボードの前でそれぞれがマーカーを持ってドンドンと話を作り込んでいって実行するやり方だ。
Question: ホワイトボードの前でみんながマーカーを持って書き込みながら話すということをしたことありますか?
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2018.05.01
日本の製造業が本来持っている強味 5 昔当たり前であった日本のモノづくりのやり方はなにか?今回はそのことについてお話します。
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ところが残念なことに、現在多くの日本の製造業の経営者は、こういった自分たちが本来持っている本当の強みを認識しておらず、その力を生かした改善・変革をしていないように思える。日本人は自分の仕事に対する責任感が強い。人から言われなくても改善を実行したり、そこで関連する人たちが部門・職位に関係なく集まって問題点を自由闊達に議論できる場を設けると、それぞれの人が全体最適の状態に向かって議論を展開し答が生み出ることがしばしばある。この部門・職位を超えた話し合いは日本の得意な仕事のやり方であった。もっと砕けて言うと日本人は部門・職位を超えてワイワイガヤガヤと熱心な話し合いができるとそれぞれが自分の領域で持っている知識や経験が融合し大きな結果を生み出せる。
Question: 実は日本人は大変な持つ強みを持っているにもかかわらず、それが認識されていないということをどう思いますか?