今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所65】解説の最終回です。
【急所65】 設計改善は、現場改善に100倍勝る。(4)
設計というと設計図面を思い浮かべる方も多いと思うのですが、今回は設計の範囲をもう少し広げて、仕事のやり方の設計といった感じで考えてみます。
先々回の号でO社の事例をご紹介しました。営業・設計・製造間の情報の共有化をレベルアップするための席替えの事例でした。O社の場合は仕事の忙しさが半端でなくなったという問題発生からの改善でしたが、それを最初から情報が共有化できる事務所の設計というように考えられたらとてもいいですね。
今、私たち日本の製造業は大きな時代の変化点に来ています。少子高齢化による労働人口の減少は一過性のものではありません。これからずっと続きます。
そうであるとすると、現状を前提としてその中にあるムダを見つけて取っていくというこれまでのやり方だけでは十分な答えが得られない可能性があります。最初から全体最適で理想的な姿をみんなで集まってワイワイガヤガヤで設計するやり方をすることも大切です。
その時の方法ですが、最も小さいあるいは最も少ないリソース(人・モノ・設備)から始めて、もし不十分であったら一つずつ足していくといったアプローチをすると良い考え・発想が出やすいと思います。
例えば100個のランプがついている工場のランプの数を節電のために減らそうとしたときに、99個、98個と一つずつ減らしていって限界を探るやり方と、最初に真っ暗にしてしまって、次に一つひとつ増やしていくというやり方のどちらがより少ないランプの工場を作れると思いますか?私は後者のゼロから増やすやり方だと思います。引き算発想でなく足し算発想です。
例えば営業が取ってきた注文内容をその場で設計と生産技術と製造が一緒に聞いて、管理を通さずにすぐに生産ができてしまうようなシンプルな仕事のやり方はできないでしょうか?
この考え方は慶応大学名誉教授の中村善太郎先生の原点構想案という考え方に基づいていますが、私たちは現在の状況に強く影響されてしまい大胆な発想ができなくなっていることが多いのです。それを打破して革新的な改善案を出す方法としてぜひ参考になさってください。
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2023.03.21
【第295回】コンサルタントの改善日記 「段取替え」に関して現場でもよく質問される2つについてお話させていただきました。
1つ目 生産性を上げたいので段取替えの回数を減らしたい
2つ目 シングル段取りが出来たらもう改善の必要はないのか -
2023.03.07
【第294回】コンサルタントの改善日記 『儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉』について深堀り解説をさせていただきました。
改善の急所27 見えないものを見えるようにする方法
実際の事例を交えながらお話いたしました。
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2023.02.21
【第293回】コンサルタントの改善日記 とても素晴らしいと感じた改善をご紹介させていただきました。
日本の製造業らしい貴重なカイゼンです。
撮影にご協力いただきましたのは、株式会社熱学技術様です。
ご協力いただき誠にありがとうございました。株式会社熱学技術: https://www.netugakugijutu.com/
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2023.02.07
【第292回】コンサルタントの改善日記 2022年の現場カイゼン活動を振り返りながら、お話をさせていただきました。
苦しいこともあったと思いますが、良い変化もあったことと思います。
2023年も時代の変化を乗り越え飛躍していきましょう。よろしくお願いいたします。
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2023.01.24
【第291回】コンサルタントの改善日記 現場改善におけるサプライチェーンとはどういう事かについてお話させていただきました。
これからも様々な事が起こると思いますが、
改めてベーシックなところに立ち戻るということは非常に役立つと考えます。 -
2023.01.10
【第290回】コンサルタントの改善日記 「7つのムダ」について事例を交えながら解説させていただきました。
「7つのムダ」が頭の中にあれば、気付きが増え現場のカイゼンが進みます。