【急所65】 設計改善は、現場改善に100倍勝る。(2)
先回は現行の製品の設計変更の話をしましたが、今回は設計に対する情報の大切さの話をいたします。
今回はつい最近、指導先のO社で経験した改善の話をします。今現在の人が足りないのに注文が増えるという嬉しい悲鳴が上がっている状況に役に立つと思ったからです。
と
仕事がない状態はとてもつらいものです。しかし仕事が来るけれどこなせないという状況もつらいです。「嬉しい悲鳴」ということは、いくら嬉しくても悲鳴ですから。ギャーッ!
O社も同様の状況です。みんな残業をして頑張っているけれど仕事は遅れ気味。このままではブラック企業になってしまう…という状況でした。
私は社長や皆さんと一緒に現場で作業の状況をしっかりと見ていましたが、事態を好転させるようなアイデアは出せませんでした。これまでもズーっと改善を積み重ねていましたから、かなり作業のレベルは高いのです。
そこで私は作業をしているSさんにちょっと声をかけました。「Sさん、今何やってんの?」
すると返ってきたSさんの答えはちょっとビックリでした。「設計に抜けがあったので手直しだよ!」
何が起きてそうなったのか???を聞いていくと、以前は会社も小さくて事務所にみんな一緒にいて仲良くワイワイやっていた。その時は営業の人たちは注文が取れると、まずみんなに今度の注文は、材料は何、形状はどう、ここ注意して、などと事前に情報をみんなで共有化していたのだそうです。するとSさんはその場で何を準備するかが分かり外段取りができました。またこれまでの経験から設計の人たちにこうしてくれると作り易いといったアドバイスやお願いができたのです。設計の人たちもその場でいろいろ質問できたので事前に間違いを避けることができたのです。未然防止ですね。
ところがその後会社は大きくなり、事務所も大きくなり部署ごとが離れてしまい、そのようなコミュニケーションができなくなり間違いが増えているとのことでした。そこにいた社長もみんなもびっくりです。でも全員納得。そこで即断即決、事務所のレイアウト変更です。
これまで営業島、設計島、管理島といった感じの工程別配置だったのですが、商品ごとに営業も設計も管理も一緒の商品別配置に変えました。お席替えです。
目で見えることだけで判断していましたが、見えないで気付かなかったところが見えたのでできた改善でした。この改善はものすごく大きな効果を生みそうです。ご参考になさってください。
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2023.03.21
【第295回】コンサルタントの改善日記 「段取替え」に関して現場でもよく質問される2つについてお話させていただきました。
1つ目 生産性を上げたいので段取替えの回数を減らしたい
2つ目 シングル段取りが出来たらもう改善の必要はないのか -
2023.03.07
【第294回】コンサルタントの改善日記 『儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉』について深堀り解説をさせていただきました。
改善の急所27 見えないものを見えるようにする方法
実際の事例を交えながらお話いたしました。
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2023.02.21
【第293回】コンサルタントの改善日記 とても素晴らしいと感じた改善をご紹介させていただきました。
日本の製造業らしい貴重なカイゼンです。
撮影にご協力いただきましたのは、株式会社熱学技術様です。
ご協力いただき誠にありがとうございました。株式会社熱学技術: https://www.netugakugijutu.com/
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2023.02.07
【第292回】コンサルタントの改善日記 2022年の現場カイゼン活動を振り返りながら、お話をさせていただきました。
苦しいこともあったと思いますが、良い変化もあったことと思います。
2023年も時代の変化を乗り越え飛躍していきましょう。よろしくお願いいたします。
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2023.01.24
【第291回】コンサルタントの改善日記 現場改善におけるサプライチェーンとはどういう事かについてお話させていただきました。
これからも様々な事が起こると思いますが、
改めてベーシックなところに立ち戻るということは非常に役立つと考えます。 -
2023.01.10
【第290回】コンサルタントの改善日記 「7つのムダ」について事例を交えながら解説させていただきました。
「7つのムダ」が頭の中にあれば、気付きが増え現場のカイゼンが進みます。