今回は『儲かるメーカー 改善の急所101項』【急所51】の解説です。
【急所51】 クレームは、人海戦術では解決しない。
ここ最近、残念なことですが、大きな品質トラブルのニュースを連続して新聞・テレビで目にします。それぞれの事件にはいろいろな理由があるのでしょうが、他人ごとではありません。現在、私たちが置かれた状況は、好況であり人手不足なのです。現場がめちゃくちゃ忙しい会社が増えています。いつ問題が起きてもおかしくない状況といっていいでしょう。
私は長く製造業に身を置きたくさんの企業を見てきました。「品質第一」という言葉が浸透していたはずの職場でも、いざ本当に忙しくなると納期優先になってしまうことが起きるのです。
生産が遅れてしまい出荷のトラックを待たせていたが、これ以上は待たせられないのでその時だけ検査をすっ飛ばした。いつもは全く問題がないラインであったのだが、その時に限って不良が発生していて市場に流出てしまい大クレームになった、といった事件を数多く見てきました。みんな目の前の出荷に一生懸命な結果です。意図的に「品質第一」を無視したのではありません。しかし結果的に無視したのですから会社にも社会にも大きな損害が発生します。
クレームは火事と同じで、起きたらまず消火が第一です。お客様にお詫びをして代替えの商品を届けたり緊急の修理をしたりと人海戦術で一刻も早い対応が求められます。
しかしその後がもっと大切です。二度と間違いを起こさないように原因をきちんと分析し根本対策を打つことです。全社一丸となって全員で問題を洗い出すことです。設計に問題があるなら設計を変える、仕組みに問題があったら仕組みを変える、教育訓練は改めて全員がやり直す、といったように。
クレーム処理を事件を起こした担当者の不注意を原因とし厳重注意をして幕引きとする会社が多くあるのですがが、原因を人に求めることは再発防止になっていないということを意味します。そのままでは再発します。仕組みの欠陥にまで踏み込んだ改善が必要です。
実は今回この文章を【号外】として書こうかとも考えました。ただ最近の事件がすべての業種において起きているとも言えないので一般の文章で書きました。しかし現状が厳しいことは明らかなので、すべての皆様が現場チェックをしてくださることを望みます。よろしくお願いします。
-
2021.03.05
【第178回】コンサルタントの改善日記 能率を上げ、在庫を減らすには、「一回つかんだら放さない」。
分かりやすくカイゼンを解説させていただきました。
-
2021.03.02
【第177回】コンサルタントの改善日記 「お客様のご要望から生まれるカイゼン」の事例を2つご紹介します。
お客様の望みを叶えることが新たなカイゼンに繋がります。
お客様の声を聞いて、カイゼンを加速させていきましょう。 -
2021.02.19
【第175回】コンサルタントの改善日記 普段は会議室で行う【改善発表会】を、現場で開催しました。
設備を利用したりと様々な方法で解決していきましょう。
撮影にご協力して下さったのは、株式会社熱学技術様です。
株式会社熱学技術: https://www.netugakugijutu.com/ -
2021.02.16
【第174回】コンサルタントの改善日記 多くの部署に同時参加してもらうほど、改善の成果が早く出ます。
改善は工場の人だけでなく、全員で行いましょう。撮影にご協力して下さったのは、株式会社加藤製作所様です。
株式会社 加藤製作所: http://www.katog.co.jp/index.html -
2021.02.09
【第173回】コンサルタントの改善日記 工場の見える化、実践動画です。
見える化で、皆様の工場をどんどん強くして下さい。
一緒に日本の製造業を強くしていきましょう!
今回の動画は、株式会社永沢工機の皆様にご協力いただきました。
株式会社永沢工機: http://www.nux.co.jp/index.html -
2021.02.05
【第172回】コンサルタントの改善日記 KZ法を使った改善で工場にスペースを生み出します。
現場の動画を見ながら解説させていただきました。
今回の動画は、株式会社永沢工機の皆様にご協力いただきました。
株式会社永沢工機: http://www.nux.co.jp/index.html今の日本のモノづくりに、全体最適の考え方はとても大切です。
考え方の次に大切なのは、やり方です。
ここでご紹介するKZ法はその具体的な実行方法の1つだと確信しています。
ご参考になれば嬉しいです。