これまでずっと改善のことについて書いてきましたが、ちょっと趣向を変えて、今回は私の仕事のことを書きます。
私は自分の職業は改善コンサルタントだと言っています。時々講演会をしたり大学で講義をしたりしますが、ほとんどの日は日本のどこかの工場の現場で改善指導をしています。
全く同じではありませんが、指導会は大体午前9時か9時半くらいに始まりますので、その少し前に会社に伺って、その会社の作業服に着替えます。
最初に会議室で私がメンバーの皆さんにミニレクチャーを行います。次に先回の宿題の結果の報告を受け、質疑応答をしてからみんなで現場に行きます。ここでいうみんなにはもちろん社長も含まれます。
現場では改善を実行した方に直接話を聞いたり、その時々の課題をその場所に行ってみんなで具体的な議論をして改善実行方法を決めていきます。もしその場でできることがあったらそこにいるみんなで実行してしまいます。そこで実行できない課題は宿題に残します。
さて、現場でどういうことを話しているかですが、現場には全社的な問題がたくさん隠れて存在しているのです。例えば品質問題の改善を話しているとそこから設計の問題や材料の問題、あるいは品質管理の問題が浮かび上がってきます。それらは製造部門だけでは解決しきれない問題であることが多いのですが、その場には社長も工場長も設計や技術の人もいますから、その場で有効な対策を打つことができるのです。これまでお話ししてきたKZ法のようにカードを貼らなくても同じような全体最適の議論をして、全社的な問題解決をしています。
そして現場でのチェックや議論を終えたところで会議室に戻ってその日の振り返りや宿題の確認をして次回改善会の日程を決めて終了します。これが大体午後4時です。
それから次の日の仕事場への移動をします。毎日違う工場に行くのですが、必ずしも距離的に最適な順番に移動できません。私の都合で日程を調整すると、工場の方々は組織的な調整になりますから大変です。そこで私は調整をしないことに決めています。ムダはすべて一か所化すると見やすいなどと言っているので移動のムダはすべて私に集約です。
その結果、今週は東京→佐世保→神戸→仙台→岐阜羽島→東京という移動になりました。電車の中では本を読んだり文章を書いたり、考え事をしたり、お菓子を食べたり、漫画を読んだりしています。
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2023.01.24
【第291回】コンサルタントの改善日記 現場改善におけるサプライチェーンとはどういう事かについてお話させていただきました。
これからも様々な事が起こると思いますが、
改めてベーシックなところに立ち戻るということは非常に役立つと考えます。 -
2023.01.10
【第290回】コンサルタントの改善日記 「7つのムダ」について事例を交えながら解説させていただきました。
「7つのムダ」が頭の中にあれば、気付きが増え現場のカイゼンが進みます。
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2022.12.20
【第289回】コンサルタントの改善日記 モノの置き方と表示についてのお話をさせていただきました。
「品目表示」「所・番地表示」「次工程表示」「量表示」「管理担当者表示」
この5つの表示があると良いと私は考えます。 -
2022.12.06
【第288回】コンサルタントの改善日記 いただいたご質問に回答させていただきました。
「本や講演で文字情報以外に図やイラストをお使いになると思いますが、
どういった点を注意しておられますか。」
ご質問いただきありがとうございました。
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2022.11.29
【第288回】コンサルタントの改善日記 私の出版した書籍や動画をご覧いただき誠にありがとうございます。
「私も、本を出版したいのですが。」とコメントやご質問をいただく事が多いです。
専門書を出版したい方に私の経験をお伝えします。昔の話ではありますので、現在とは違うこともあるかと思います。
少しでも参考になれば幸いです。 -
2022.11.22
【第287回】コンサルタントの改善日記 「リードタイム」を簡単解説させていただきました。
見えている様で見えていない現象を記号化することで見えるようにする
「工程分析」という手法を使ってのカイゼンの話もしております。このような事を繰り返しながら日本の製造業を強くしていきましょう。