先回、日産自動車の事例を使って、変革の力は会社内にあると申し上げました。そしてその直後に伺ったT社における小集団活動発表会でそれは絶対本当だと確信いたしました。
T社では年に1回全社発表会を開きます。今回は国内5工場からはそれぞれ2件、海外の2工場は各1件で合計12件の発表がありました。私は毎年この発表会に審査員兼コメンテーター(?)として参加しているのですが、年々そのレベルが上がってきているのです。
以前は国内工場のみの参加で製造の現場改善中心でしたが、今は海外工場も参加しています。そして国内においては技術も営業も生産管理も品質管理もといった関連するスタッフ部門も参加しています。
また小集団のメンバー形成ですが、テーマによっては製造や技術や管理が一つの小集団を形成し、総合的なアプローチで相乗効果を生み出したチームも出てきました。
そして以前は活動の成果はそのほとんどが製品ごとの不良低減、生産性向上であったのですが、今ではそれらはもちろんですが、在庫やリードタイムに広がり、全社の仕組みの改善へと進歩を遂げています。
実はT社は少し前、大きな時代のうねりの中で売り上げが半分以下に激減し倒産の危機に直面しました。多くの仲間が会社を去り小集団の運営はもう無理と諦めてもおかしくない状況でした。しかしその苦しい時もこの小集団発表会は中断されることなく続けられました。今振り返ると当時、皆さんは本当に大きな不安と多くの苦しみを抱えておられました。
しかし社内のみんなで助け合い頑張った結果、業績は大幅に回復しています。最後のまとめで社長は経営の復活における従業員の皆さんの改善の成果を強調され今後の更なる改善に対する期待を述べられました。
小集団活動を止めないで本当に良かったと思いました。そしてやはり答えは社内にある!と確信した一日でした。
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儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉(日本経営合理化協会) https://amzn.to/35ms49a -
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