大方の予想に反してトランプさんがアメリカの大統領選挙で次期大統領に選出されました。
その少し前にはやはり大方の予想に反してイギリスが国民投票でEU離脱を決定しました。
先進国代表のような米英において “大方の予想に反して” といったことが連続して起きたということは、これからの世の中は大方の予想に反することが普通に起きるのではないかと考えてもおかしくないのではないでしょうか。
すなわちこれからは今まで以上に何が起きるかわからない時代になると覚悟する必要があります。
しかし何が起きるかわからないのであれば、何をどう準備をすればいいのでしょうか?
そのことに関して私は極めて明確な答えを持っています。
それは何が起きても大丈夫な実力を付けておくことです。具体的には会社のすべての人が毎月改善を実行する習慣があるといった、変化に対して全員が自ら動くことに慣れている状態を作ることです。
大きな変化や問題が起きたらすぐにみんなが集まって対策を考え実行する。更に大きな問題が起きたらコンサルタントや近くの大学の先生や場合によってはお客様といろいろな人が集まって対策を考え実行するといったように、どんな変化や問題に対しても自ら考え改善を実行する力を持つことです。何の準備もしないでいていざとなったら何とかなるということは絶対にありません。普段からコツコツと変化に対応する練習を改善の実行を通じて行いましょう!
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2020.01.27
(号外12) 『カイゼン4.0』が出版されます。 来る1月27日にワニプラスから私の著書で『カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす』が発売されます。
日本の製造業はカイゼン技術を駆使して世界のモノづくりを引っ張っていた時期がありました。ところが現在の日本の製造業には以前のような輝きがありません。カイゼンもいろいろな理由で実行できていない会社が増えています。あるいは、実行していたとしても、正しく行われていないので経営成果に結びついていないことも多いのが実情です。
しかしカイゼンという日本発の技術は、お金がかからないシンプルな技術であり、正しく運用すると生産性や品質はもちろんのこと、新商品や新マーケットをも生み出してしまうすごい不思議な技術なのです。そしてこれは日本にしかできない特別な技術です。ですから正しいカイゼンができていない会社が多い今の日本の中小製造業の状況は、とてももったいないと思っています。
私はカイゼン指導が専門のコンサルタントです。そして私の指導先ではそのすごいことが普通に起きています。そこで私の指導先のカイゼン事例をベースに、経営者の役割や、カイゼンの進め方を解説した本を書こうと決めてこのたびようやく完成しました。
この本を参考にして頂き、日本の製造業、特に中小の製造業が元気になって再び世界のモノづくりを引っ張るようになっていただきたいと思います。
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2019.12.11
(号外11)一般社団法人日本カイゼンプロジェクト 第一回工場見学会報告 11月21日~22日の2日間にわたって(一社)日本カイゼンプロジェクト主催の工場見学会が行われました。会場は滋賀県長浜市の大塚産業マテリアル株式会社と株式会社シガウッドの2社でした。両社とも近江の「三方良し」に基づいて経営をしておられ、中心に人がいてカイゼンがあって大きな経営成果を上げておられます。
日本カイゼンプロジェクトの工場見学は、ただ見学するだけでなく『おみやげ・お買い上げシート』を使って、見学者もカイゼン議論に参加するやり方なのですが、かかわった方全員が自社にも有効な経営カイゼン議論をするというユニークな見学会になりました。
おみやげ:見学した現場に対するアドバイス
お買い上げ:見学した現場にあった素晴らしいカイゼン
「おみやげ」と「お買い上げ」について、それぞれ最低一件は書かないと夕食抜きという厳しいルールが課されました(笑)。
その結果、皆様たくさんのアドバイスと評価をして下さいました。参加した方と受け入れた方のすべての方が大きな学びを得たと思います。
参加者の皆様、受け入れ準備をして下さった2社の皆様、素晴らしい会をお作りくださりありがとうございました!
大塚産業マテリアル(株): https://ohtsukasangyo.com/material/
(株)シガウッド:http://www.shigawood.com/
(一社)日本カイゼンプロジェクト:https://www.kaizenproject.jp/
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2019.03.18
来年度の私の仕事 つい先日お正月を迎えたばかりと思っていますが、既に3月も末に…。年度末、学年末の時期となりました。
そろそろ来期の仕事の進め方を具体的に考えるタイミングです。変化のスピードが速い昨今、仕事のやり方にもスピードアップが求められますね。
来る新年度、私はこれまでのコンサルタントとしての仕事、大学大学院ビジネススクール客員教授、講演会講師としての仕事に加えて一つ新しい改善の仕事を始めます。各企業で実行している素晴らしい改善をそこでとどめずみんなで更に磨き上げて大きな改善を育てるプラットフォームを作ります。プラットフォームについては次回に改めてご報告いたします。
さて、今年度の主な講演会の内容が確定しましたのでご連絡させていただきます。
大阪府工業協会主催の「工場経営研究会」は私が主任講師を務め、13人の各分野の専門家が幅広くモノづくりに必要な実践的な講義(合宿2回を含む、計16回)を行うものです。
また日本経営合理化協会主催の「第9回工場生産『管理者』育成学校」は私が4回にわたり実践的な講義と実習をするもので、工場管理に必要な仕事のやり方を実践的な講義と宿題を通じて身につけて頂くユニークな講座です。ご興味ある方はぜひご参加ください。お目にかかるのを楽しみにしています。お元氣で!
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2018.11.14
(号外6)第7回日本カイゼンプロジェクトを開催しました。 10月26日に東京都近くのTIP*Sにおいて「第7回日本カイゼンプロジェクト」を開催いたしました。当日は40名を超える方々のご参加で大変に盛り上がった会合となりました。
会合では最初に私、柿内が「これからの時代の変化と中小製造業が進むべき道」と題して、現在の世の中の変化とそれに対応するべき方向、そしてそのために中小企業が取るべき方法について休憩をはさんで約2時間お話しさせて頂きました。
その後6つのチームに分かれてそれぞれの参加者がワイワイガヤガヤとお菓子や軽食を食べながら論議(雑談?)しました。最後の30分で簡単な発表会をしました。
特に明確なテーマを設定しないディスカッションでしたので、日本的な全員でのワイガヤの大切さを議論したチームから、あるチームではそこにいらしたミスター・カイゼンで現在88歳の今井正明先生が「カイゼン」「ゲンバカイゼン」に続く3冊目の本を来年アメリカで出版される!ということで盛り上がっていました。この元気はやはりカイゼンから来るのか!…。
すべての方々が「改善」でつながっているのですが、男女、老若、分野、歴史、それぞれが違う方たちがワイワイガヤガヤと楽しく話し合う様子はまさにダイバーシティだと思いました。ここから何かが生まれるに違いない!と思ったのです。
私はこの会合を通じて、皆様でモノづくりの研究をしてレベルを上げて経営成果を上げる永続的な組織へとレベルアップしたいと考えております。そのため、この組織をこれまでのその時々の開催のやり方から、一般社団法人化して組織的な運営に変えていこうと考えております。詳細については別途ご報告いたします。
先日はご参加くださった方々にはその内容を記載したパンフレットをお配りしましたが、後日に改めて皆様にご説明をさせて頂き、会員を募らせていただきたいと思います。その際は入会のご検討を頂きたくどうぞよろしくお願い申し上げます。
まずは取り急ぎのご報告をさせて頂きます。皆様いつもありがとうございます。
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2017.08.03
(号外4)英語版の改善サイトでアメリカ進出?! 現在『儲かるメーカー 改善の急所101項』の『【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている』について書いていますが、今回は私がコンサルタントとして新たにお客様に向けて実践し始めることをご報告します。
この度、今まで日本語のみであったこのホームページに英語版を追加しました。トップページの左上に赤くEnglishと表示が追加されました。
これまで何回か外国人の方から、英語での出版はないのかと聞かれていました。中国語には5冊の本が翻訳されていて、中国あるいは台湾で出版されているのですが(『現場改善入門』、『現場改善』、『現場のコトバ』、『ちょこっと改善が企業を変える』、『儲かるメーカー改善の急所101項』)、英語の本はないのです。中国語版は中国と台湾の出版社からのお申し出で翻訳されたのですが、英語圏からのお申し出は残念ながらありませんでした。
では自分で英語の本を書いて出版社に持ち込むか!となるべきでしたが、自分で英語の本を作ることはちょっと難しいと思い込んでいて、諦めていたのです。しかしできない理由よりやる方法を考えることが必要な時代です! そこでいろいろと考えてみた結果、ホームページくらいなら何とかできるかもしれない…と思いつき頑張ってみることにしました。
「案ずるより産むが易し」、パーフェクトな英語を書こうと思えばできませんが、何とか通じて少しでも役に立って喜んでくださる方がいればそれでOKと割り切ればできないことはないと気づきました。
もし英語でモノづくりを学びたいという方をご存知でしたら、ぜひともこのホームページをご紹介ください。また私の英語の面での改善提案もウェルカム!どうぞよろしくお願いいたします。
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2017.07.27
(号外3)アメリカで改善意見交換
オレゴン州ポートランドで日本の改善について話をする機会がありました。
出席のメンバーは誰でも知っている有名なIT会社の役員もいれば、個人で開業しているお医者様もいるという日本ではなかなかお目にかかれない組み合わせの方たちでした。
講演の流れは日本のモノづくりの歴史から始めて、私が現在目指している「知のすり合わせ」を活性化することによるリードタイムの短縮までを話しました。
KZ法のようなみんなでワイワイガヤガヤしながら経営を進めるというやり方は理解されないだろうな、あるいは理解してもらっても受け入れられないだろうなと思っていたのですが、意外にも是非ともやってみたいという方が数多くいらっしゃいました。
また日本とアメリカを国としての比較をすると両国には大きな違いがありますが、個人個人の悩みやこれから進もうとしていることを聞いてみると意外と違いがなく、アメリカの方もやはり日本と同じように経営上の悩みは抱えているものだな…と思いました。
ただこれはすごいな!と思ったことが一つあります。今回の出席者はそのほとんどの方が自分たちのいるマーケットをかなりはっきりと分析してとらえていました。現在『儲かるメーカー 改善の急所101項』の『【急所1】工場でのあらゆる活動は、お客様からのご要望に応えるために行っている』について書いていますが、やはりお客様を更に強く意識することは絶対に必要だなと思いました。
世界の動きもかなりすごいです。暑さに負けず頑張りましょう!