その昔は電子計算機と呼ばれ「高速ソロバン」であったコンピューターですが、この頃は進化して人工知能(A.I.)レベルになって、人間の仕事を奪うかもしれない…といった議論も出ています。
私も次々と新しい情報が入る中でこれから一体どうなっていくのだろうと期待したり心配したりを繰り返しておりました。
その中で、先日私の指導先のB社でそのことに関する素晴らしい改善に出会いました。
B社ではプレス金型を作っているのですが、最近はプレスされる金属の性能がより軽くより強くなっており、スプリングバックというのですが、せっかく曲げてもまたもとに戻ってしまいやすくなっているのです。その結果、金型設計も複雑で難しくなっています。
そこでB社ではスプリングバックなどの複雑な変化をシミュレーションできるソフトを購入しました。ここまでは特別なことではないのですが、B社ではコンピューターは苦手といっていた60歳のS工場長が、若い人に教わりながら勉強してこのソフトを使えるようになったのです。
ものすごい経験と技能を持っているS工場長がものすごい技術のソフトを使いこなせるようになると何が起きるのか? S工場長に聞いてみました。すると、
「いやー、このソフトはすごいね、今まで何度も行ったり来たりしていた作業が一発だよ!おかげで生産能力は上がるし若手とのコミュニケーションは進むし、、、秘密だけど今度●●●●にチャレンジするんだ、こんなこと普通考えられないだろ!」
技能を自動化するのではなく、自動化を使って技能をさらに上げるということです。コンピューターはやはり使うものであって使われるものではないと考えるのだと改めて思いました。
-
2021.02.02
【第171回】コンサルタントの改善日記 自身の経験からの、「技術士資格の活かし方」についてをお話させていただきました。
-
2020.07.21
【第138回】コンサルタントの改善日記 日本カイゼンプロジェクト会長の柿内幸夫です。
今回は私が普段よく聞かれる、技術士資格に関する質問にお答えしてみます。
-
2020.06.24
【第134回】コンサルタントの改善日記 今回撮影にご協力して下さったのは 株式会社 加藤製作所さんです。
-
2020.06.24
【第131回】コンサルタントの改善日記 今回は私の履歴書の第2話となります。
-
2019.09.10
【号外10】一般社団法人日本カイゼンプロジェクト第1回勉強会報告 第1回勉強会は9月23日(金)14時~17時、約30名の方のご参加を頂き、東京駅丸の内口TIP*S会場にて、講師に小美濃芳喜先生をお招きして「『学研大人の科学』に学ぶカイゼンの進め方」と題するお話しをして頂きました。
小美濃先生は学生時代に毎年琵琶湖で開催される鳥人間コンテストで優勝し当時の世界新記録を樹立し、また宇宙飛行士の若田光一さんが宇宙船内で行ったドラえもんのタケコプターの実験の宇宙コプターを作られた方です。そして今回の勉強会のタイトルである『学研大人の科学』の付録を30年間にわたり作り続けられたモノづくり人間でいらっしゃいます。今回はそれらの付録やいろいろな道具を使って実験や実演を含め魅力的な講義をして下さいました。
そしてハイライトは小美濃先生がこの度成功された200万円という限られた予算で「ツインドリルジェットモグラ号」という精密な模型を、企画~設計~金型製作~量産~販売をすべて行って、しっかり利益を出したという実践報告でした。これは活動と同時進行で執筆された「メイカーとスタートアップのための量産入門 ―200万円、1500個からはじめる少量生産のすべて」という書籍にすべてオープンになっていますが、その生々しい体験をお話し頂きました。
「資金がない」「ロットが1000に満たない」、そういった理由で最初から商品化への道をみずから閉ざしてしまうメイカーも多い。「やり方はあるんだけどなあ…」個別の案件に対処しながらも、「若い人たちへ一般的なノウハウを残せないだろうか?」といった思いをお話しいただきました。
講演の後は参加者が4つのグループでそれぞれの感想や課題などを話し合い、最後に小美濃先生への質問セッションと続きあっという間の3時間でした。
メイカ―とスタートアップのための量産入門→ご購入はこちら
日本カイゼンプロジェクトウェブサイト
-
2018.09.07
全員で行う改善をベースとした新しい経営のアプローチ 4 日差しが少しずつ秋の気配に変わっています。うれしいです。
*************************************
現在、日本および世界の経済活動は工業生産中心からサービスの実行へと変わってきている。例えば新しい電話機を作ることだけでは不十分で、その電話機の新しい使い方を見つけることも求められてきているということだ。消費者は機能的な性能向上のみならず、より満足度の高い使用法による経験をも求めている。モノからコトへの変化が起きている。
すなわちこれまでは機能的に良いものを作れば売れるといったテクノロジー中心・技術追及中心の時代であり、会社の運営は営業・設計・技術・管理・製造のように部署別に専門を分担して行うことができた。しかしこれからはこれまでに培ってきた高いテクノロジーを前提に、個々のユーザーを満足させるサービスレベルを上げるという幅広い要求を満たすことが求められる。そのためには部門ごとの力では能力が足りずアイデアが不十分で対応しきれない。
*************************************
Question:サービス向上ということはずっと前から言われていますが、昔のサービスと今のサービスは意味が違うと思いませんか?